和菓子教育について

和菓子教育のすすめ

生徒作品より

「和食」が2013年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。私たちの和食文化が世界中から注目を浴び、評価されていることは昨今の〝和食ブーム”からも納得できますが、ユネスコ条約の本来の意図は「危機に瀕している文化」を保護することにあることはご存知でしょうか。

和食の無形文化遺産登録を願ったのは、海外での和食ブームに日本の農産物の輸出の伸びを期待したのでも、国内での日本料理界の繁栄、観光拡大を目標とするものでもありません。もっと切実な課題が、日本の食文化の背後に迫っています。それは1960年代以降生まれの保護者家庭における食生活の崩壊現象です。

ー「和食と食育」熊倉功夫監修からー

このことは、重要な食文化でもある「和菓子」についても同様な状況があります。「和菓子」は、和食同様に日本人が基礎としている「自然の尊重」、「食のコミュニティー、家族、地域のの結びつき」という精神に基づき継承されてきました。 厳しい暑さや寒ささえも愛でて、〝来る秋、ずっと先の春”に思いを馳せて作る、すごいポジティブなお菓子です。そこには、日本人が培ってきた〝前向きで、自然と一体になる、背筋がぴーんと伸びた美しい生き方”があります。

生徒作品より

和菓子教室での『和菓子は、お腹だけでなく、心も満たす(癒しの)お菓子』梶山先生(東京製菓学校長)のことばに、生徒は深く共感してくれます。彼らの目の輝きに、授業者としての達成感、喜びを感じる一瞬です。

「NPO法人和菓子教育をすすめる会」は、和菓子作りを通して情感豊かな日本文化の担い手を育てるという使命を受け、「和菓子の魅力」を子供たちに伝えることを目的に発足しました。2020年の東京五輪を目前に、日本人としてのアイデンティティを持たせるためのタイムリーな教育活動です。 この機会が、子供だけでなく大人も自国の和菓子文化を再発見できる機会になると、授業参観の保護者、教職員の声から確信しています。和菓子界の一線で指導に携わっている講師陣が、教育課程に沿い、お忙しい先生方に負担をかけることなく実施できるよう入念に検討し「和菓子教室」を企画します。特に、安全・衛生面については厳重に管理・配慮し、当会スタッフで準備、用意いたします。

和菓子教育講座の概要(ご提案)

和菓子教育講座で体験できること

  • 和菓子全般についての話
  • 和菓子実習
  • 学びのワークシート作り
  • 和菓子・お茶の頂き方
  • 講師模範実技

時間

1コマ 2時間授業(90〜100分)

授業形態

授業の進行、教材用意などはご一任ください。(公開授業や保護者参加の実習形式も可能です)

授業展開を2パターンご用意しています

パターン①

和の食文化として「和菓子」の素晴らしさを学び、実習体験し、味わうことを目標にしています。
Point 伝統和菓子芸術について体感、実習体得します。
(和菓子科専門教員に指導を受け技を学びます。)

パターン②

季節の美しさや行事の喜びを和菓子作りで表現、大切な家族に心をこめて和菓子を作ります。
Point 季節の和菓子、行事の和菓子、郷土の和菓子などを作ります。

※①と②を実習体験することにより、和の食文化としての「和菓子」がさらに日常生活に 活かされ、
豊かな潤いある生き方の一助になるのではないでしょうか。
1回実施の場合は①案の授業を実施をおすすめします。
※実習製作後の和菓子お持ち帰りできます。
※授業は、担任(又は教科担任か副担)の先生がお付きくださいますようお願いします。

講師スタッフ

松井みどり 和菓子教育家
同会会員の和菓子職人
協力;東京製菓学校
各教室の開催については、3〜4名の講師.で丁寧に授業を行います。

実施費用について

1)児童、生徒の費用;各¥500~
実習材料、試食、お茶、などを含みます。
2)講師費用;公費負担で可能な金額をお願いいたします。ご相談ください。

和菓子教室実施までの流れ

STEP
お申し込みフォームよりお問い合わせください

詳細については、お申し込みフォームよりご確認をお願いいたします。

STEP
実施希望日について

実施希望日の連絡については、お早めにお願いいたします。

STEP
授業の内容についてのお打ち合わせ

実施日が確定しましたら、授業内容についてのお打ち合わせを行います。

STEP
実施当日

授業開始1〜2時間前に来校、授業の準備をいたします。
※ 担当の方へは前日にお電話いたします。

「和菓子授業」実習内容(例)

春爛漫 桜

ういろう製 青梅

栗饅頭

こなし製 桃の精

※ 工程を省略して完成させる場合や、対象学年により実習項目が難しい場合がございます。

ご感想

杉並区東原中学校(平成27年2月)

生徒

前から和菓子を作ってみたかったので、今日の授業はすごく嬉しかったです。本格的な道具を使うのも初めてで楽しかったです。「練り切り」の生地は扱いが難しかったけど、だからこそ繊細な美しいものが作れるのだと思いました。自分の手でこんな素晴らしい和菓子を作れたのは一生の思い出になり、講師の先生方の技術がすごくて、そんな先生方に教えてもらいいい経験になったと思います。ありがとうございました。また、やりたいです‼

保護者

一年生の皆さん、とってもいい顔してました。こんな授業を体験させてもらえて幸せですね!夜に、持ち帰ってくれた和菓子を頂き、家族皆も幸せな気持ちになりました。和菓子はすばらしいですね。

生徒

最初僕は、「食べれるだけでいいか」と思っていたけど、作っているうちに楽しくなってきました。味は栗が美味しかったです。アンが丁度いい具合に入っていたからです。今日まで洋菓子が好きでしたが、和菓子の方が好きになりなんだか嬉しかったです。最後の長谷川先生のハサミで作った「菊」はすごくてずっと見惚れていました。僕も一度でいいから、あんな風に作ってみたいです。今日は本当にありがとうございました。

保護者

なかなか和菓子を作るという機会もないし教えることも出来ないので、こんな授業をしていただき感謝しております。子供が鼻高々に持ち帰ってくれた和菓子を、その心の分も、とても美味しくいただきました。和菓子職人という職業についてイメージが湧き良い経験だったと思います。

生徒

和菓子の菓銘はとても深い意味があり、季節感や風景などから和菓子を作る人が名づけるということに驚きました。言われてみれば洋菓子にはあまり意味のある名前がつけられていないと思いました。和菓子は、食べている人の心を安心させ、澄んだような心にしてくれることも初めて気づきました。

保護者

「和菓子はきれい。作ってみたいけど難しいそう」と常々言っていたので、今回の授業はさぞや嬉しかったと思います。伝統食文化としての役割も知り、日本の良さに自信を持ったのでは。保護者も一緒にお話を聞けて、貴重な体験になりました。

生徒

桜の形が上手くできなくて大変でした。でもとても楽しかったです。また、先生のお話を聞いて日本の和菓子が、外国でも人気なこと(食べられている)を知り、びっくり、誇らしく思いました。和菓子のイメージが遠くにあったものが身近に感じました。講師の先生、ありがとうございました。

教職員

「M君が3年間の一番の思い出でに、和菓子教室で講師の先生に見込みがあるぞと褒められたこと」と書いていましたと、この3月に卒業生を送り出した先生が話てくれました。主たる目的は和の食文化教育ですが、先生方の講話やプロとしての所作に憧れをいだきとってもうれしかったようで、職業指導にも 生かされました。